Linux + Windows 95 mini-HOWTO Jonathon Katz
jkatz@cpio.net
JF Project 日本語訳
JF@linux.or.jp
この文書は、現在 Windows 95 が走っているマシンに Linux をインストールする 方法を説明したものです。 2001-03-01 1.1.1 2001-04-19 DCM Corrected a typo. 1.1 2001-02-28 JEY 1.0 1998-08-15 JK 0.9 1996-10-26 JK 0.8 1996-06-25 JK Joy Yokley Converted document from HTML to DocBook 4.1 (SGML)
<!--Introduction-->はじめに おそらく読者のマシンには、(不運にも)あらかじめ Windows 95 がインストール されていたと思います。インターネットをひととおり探検し終わると、たいてい Linux が目に留まり、次いでそれを動かしたくなる人が大勢います。Linux は、 コンピュータ付属の OS よりも優れたオペレーティングシステムであり、値段も ずっと安いからです。両方のオペレーティングシステムを動かそうとする場合、 考慮すべき問題は多岐に渡ります。そのひとつは、最近のコンピュータには通常 大容量の EIDE ハードドライブが付いてくること、そして Windows 95 では古い FAT ファイルシステムに拡張機能を付けることで大容量ハードドライブに対処して いることです。Linux でもそうした様々な問題を理解した上で、ハードウェアや ソフトウェア上のそうした問題を適切に処理することが可能となっています。 <!--Installation Options-->インストールオプション Linux と Windows 95 は、同じハードディスク上でも上手く共存させることが できますが、同一マシン内の別のハードディスク上に Linux をインストールする ことも可能です。経済的に余裕があり、セカンドハードディスクが買えるなら、 是非そうしてください。同一ディスク上で Windows 95 と Linux を使ったとして も安全と信頼性は確保できますが、セカンドディスクがあるともっと安全になり ます。私は貧乏学生 (で、友人の多くも貧乏) なので、容量のある単一ディスクに 頼らざるを得ないのです。 読者のハードディスクは、だいたい次のようなものだと思います。 +--------------------------------- C: | 800M.... 4.2 Gig? | +--------------------------------- Windows 95 と MS-Office, Qmodem Pro その他の DOS/Windows ソフトウェアを あわせても 800M 程度でしょう。そしてこれに Swap が加わります (Windows の Swap 領域は、ユーザをナメた大きさだったりしますが)。おそらく読者は、 長時間かけてインストールと設定をした数多くのソフトウェアを失いたくない でしょうから、パーティションを削除して初めからやり直すことは望まないで しょう。 <!--I Have This Partition I Want to Spare!--> このパーティションなら空いてるぞ! いい方法があるのです。FIPS と呼ばれるプログラム を使うと、データを破壊することなくパーティションの切り直しができます。 しかし、これを使う前に、まずハードディスクをデフラグするのを忘れないで ください (出来るだけ最適化のレベルを上げられる方法を使ってください)。 これには Windows 95 付属の defrag を使うのですが、 必ず GUI で使うようにしてください。でないと、長いファイル名が切れてしまいます。 defrag の実行が終わったら、FIPS を実行して、ディスクを次のように分割します。 +------------------------------------- C: | This is your FAT/VFAT/Win95 partition 800M | +------------------------------------ ??? | This is empty space. | +---------------------------------- ]]> +------------------------------------- C: | ここは、FAT/VFAT/Win95 用パーティション 800M | +------------------------------------ ??? | ここは、空きスペース | +---------------------------------- FIPS は、普段読者が使っている FTP サイト (http://sunsite.unc.edu,http://tsx-11.mit.eduftp.redhat.com) の /pub/utils/msdos ディレクトリあたりにあるはずです。 Linux の CD をお持ちなら、FIPS は通常 \utils\msdos\utils に あると思います。 <!--What Is This 528M 1024th Cylinder Stuff?--> 528M, 1024 番シリンダーの問題って? 1024 番シリンダーとは、何のことでしょうか? 簡単にいうと、IDE が終わり、 EIDE が始まる場所のことであり、ハードディスク上の 528M マークと 言われるものです。マシンのなかには、528M 以上のディスク領域を読む際に 問題が生じるものがありました。そのいくつかは、1024 番シリンダ以降にある パーティションから別の OS を起動できませんでした。しかしこの限界は、 最近ではもうほとんど問題になりません。(昔は、けっこう大きなことでした。) <!--What's Next-->次は何を? 次は、新しく作成した空きスペースに Linux をインストールします。心配性の方は、 Linux のインストール過程でブートした際、Windows 95 の方を起動して、 引き続き Windows も使えることを確認することができます。 ディスクのパーティションを切る際、一般的なやり方に従うなら、600M の Linux 用パーティション (これだけあると、かなり快適です) と、80M の swap 領域 (多すぎるくらいですが) を作成するといいでしょう。 この時点で、どんなディストリビューションでも問題なくインストールできるはず です。 (訳注:最近のディストリビューションは大容量化しています。ディストリ付属の マニュアルで確認してください。) <!--Using Your New System--> 新しいシステムを使う Linux は、Windows の VFAT パーティションをマウントして読み書きすることが できますが、そのやり方は様々です。1.0 以上のカーネルなら標準の msdos ファイル システムをサポートしているので、それを使うことができます。しかし、以下の ようなコマンドを使った場合、 litterbox~#: mount -t msdos /dev/hda1 /mnt ファイルシステム上では、ファイル名 8 文字 + 拡張子 3 文字までのファイル名しか 使えません。これじゃ、困ります。せっかく Windows 95 を持っているのですから、 便利なロングファイルネームを使えるようにしたいですよね。 現在の Linux の標準 (1.2.xx ) からすると、いまでもかなり古いカーネルを使って いるユーザもいます。1.2.xx シリーズのカーネルについては対応モジュールが 出ているので、それを使えば 8+3 の制限にかからずにファイルを読み出せます。 この状況で困っている人は、FTP サイト ftp://mm-ftp.cs.berkeley.edu/pub/multimedia/linux/xmsdos/ で README ファイルを読んでから、いろいろやってみてください。 1.3.4x 以降のカーネルでは VFAT を標準でサポートしているので、カーネルを 再構築することで有効にできます。これらのカーネルを使うと、VFAT パーティションを安全に読み書きできます。 <!--NOTE: A Word of Caution!-->ユーザへの警告 Windows 95 後期バージョンや Windows 95 を使っている場合 (つまり、 およそ 1996年6月以上に出荷されたか Pentium-MMX 以降の CPU を載せている コンピュータの場合) は、次のことを実行してください。 お使いの Windows 95 の本当のバージョンを確認します。方法は、DOS プロンプト 画面を開いて、 ver /r と打ち込みます。出力は、例えば次のようになります。 C:\> ver /r Mircosoft Windows 95 [4.00.1034] (C) 1981-1996 Microsoft Corporation. マイナーバージョンに注意してください。マイナーバージョン番号が 950 以上なら、 FAT パーティションの FAT32 と呼ばれるバージョンを使っていると思われます。 その場合は、問題なく Linux と Windows 95 の両方を使うことができます。 しかし、それよりも若い番号であった場合でも、必ずしも FAT32 を使っていない というわけではありません。fdisk を起動し、 「パーティション情報表示オプション」を使って FAT32 を使っているかどうか 確認してください。 <!--Installing on a Drive with FAT32--> FAT32 形式のドライブにインストールする FAT32 のドライブに Linux をインストールしている場合、Windows 95 上に Linux をインストールするのと同じ手順に従ってください。ただ、 FIPS は FAT32 をサポートしていないので、 Partition Magic と呼ばれる商用プログラムを使わざるを得ないでしょう。 (訳注:最近の FIPS では、FAT32 もサポートしています。詳しくは、 FIPS 2.0 をご覧ください。) <!--Linload, What's That?--> Linload, なにそれ? Linload は、DOS 環境で動くプログラムで、 これを使うと、DOS ハードディスク (もしくはフロッピー) にあるカーネル イメージをロードして、適当なルートパーティションから Linux オペレーティング システムの残りの部分を起動することができます。 優秀なハッカーなら、この方法でフロッピーを使わずに Linux をインストール できるでしょう。しかし、この文書ではもっと一般的な方法を紹介しようと思います。 Windows 95 の起動時、以下の画面が出たときに F8 キーを押します。 Starting Windows 95... そして、次のモードを選択します。 Safe mode, command prompt only カーネルイメージがあるディレクトリに移動して、その場所で 以下のコマンドを打ちます。 C:\LINUX> linload.exe zimage root=/dev/hda2 ro MS-DOS の設定に詳しいなら、AUTOEXEC.BAT と CONFIG.SYS をいじって、 OS 選択メニューを表示させ、起動する OS を選べるようにすることもできます。 <!--Installing Windows on Linux--> Linux 上に Windows をインストールする これまでとは反対の状況の場合 (現在 Linux が走っているマシンを使っているが、 諸般の事情で Windows をインストールせざるを得ない場合)、 Windows は強引に既存の MBR を上書きするので、LILO がクラッシュします。その際は、ふたつの選択肢があります。 loadlin.exe を使ってカーネルをロードし、 そのカーネルから Linux を起動するか、フロッピーか loadlin を使って Linux を起動し、LILO を 再インストールするかです。 新しいシステムに幸運がありますように! 日本語訳について 日本語訳は Linux-JF プロジェクトの多くの方々にサポート頂きました。 ありがとうございます。 訳: 中谷千絵 jeanne@mbox.kyoto-inet.or.jp (1996/07/27) (1997/03/12, 一部訂正) 更新: 千旦裕司 ysenda@pop01.odn.ne.jp (2001/09/20)